一般の方の弁護士のイメージといえば、
- 敷居が高い
- 金額が高い
- 小難しそう
などのイメージがまだまだあると思います。
様々な弁護士が、弁護士の敷居を下げるべく鋭意努力していますが、敷居は下がっているでしょうか。
答えは、まだNOだと思います。
弁護士として敷居を下げることは大賛成ですし、一般の方が弁護士をたくさん活用して頂きたいと思っているので、弁護士の敷居を下げるために必要なことを考えてみました。
<目次>
1.難解な言葉を使わない
2.服装や容姿を考えてみる
3.事務所(特に打合せスペース)の雰囲気を考えてみる
4.まとめ
1.難解な言葉を使わない
弁護士と話す機会が多い弊社でさえ、弁護士が普段用いる言葉は難解に感じます。
ただ単に、語彙不足と言われればそれまでですが、難解な言葉を話されると、自分と弁護士の間に距離を感じてしまうのは事実です。
例えば、
・悪意、善意 ・債権、債務 ・故意、過失 ・認否 ・善管注意義務
・過失相殺 ・送達 ・主張立証 etc.
一般の社会生活において、あまり使用しない言葉を話されたりすると「この人は何を言ってるんだろう」とか「難しくて分からない」と一般の方は感じてしまいます。
2.服装や容姿を考えてみる
私が今まで出会った中で、一番衝撃だったのは「茶髪+タンクトップ+破れたジーンズ」姿の弁護士です。そのほかにも「真っ白なスーツ+金色に光るスニーカー」姿の弁護士など、様々な服装をされる弁護士がいらっしゃいます。
もちろんそのような服装が適切かどうかはTPOによりますが、しかし、そういう弁護士を批判することが当然という風潮が、弁護士業界が伸び悩む理由の一つだと感じます。
様々な場所でお会いする弁護士は、誰もが同じに見えます。
同じようなスーツに同じようなネクタイ姿という良く言えば統一感はある。
身体の大きい・小さいで見分けるしかありません。
敷居が高いと感じさせているのは、そのような服装や容姿も影響を与えているのではないでしょうか。一般的に「スーツ+ネクタイ」であれば間違いはありませんが、全員が同じだと「弁護士の制服がスーツ」という印象になり、古臭い弁護士業界からの脱却はできないのではないかと思います。
本気で敷居を下げたいとお考えであれば、TPOに合わせて服装を変えてみてはいかがでしょうか。
3.事務所(特に打合せスペース)の雰囲気を考えてみる
弁護士事務所(法律事務所)の打合せスペースを想像すると、
・重厚感のある色使い
・本棚に専門書がたくさん入っている
を思い浮かべる方が多いと思います。
重厚感の色調+専門書が並べられている部屋に通されて、落ち着いて話ができると本気でお考えなのでしょうか?
もし、そうだとしたら弁護士ありきの事務所作りしかしておらず、企業法務のことしか考えていないのでしょう。
一般の方は弁護士事務所に足を運ぶことは一生に1~2度程度でしょう。
1度も足を運ばない方もいらっしゃると思います。
慣れていないところで、難しい話をするのに、重厚感は本当に必要でしょうか。
一般の方のことを考えれば、色調やレイアウトをもっと考えるべきです。
・どうしたら落ち着いて話せる空間になるのか
この感覚が著しく欠落している弁護士が多いように感じます。
4.まとめ
本記事をお読みの弁護士の方は、中には「何を言ってるんだ」と憤慨されたり呆れたりする方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、弁護士が本気で敷居を下げたいと考えるのであれば、一般の方のことをもっと考えるべきなのです。
弁護士の数が増え、弁護士大競争時代に突入しているいま、弁護士が変わらないといけないと感じています。
弁護士業界においては様々な規制があるのも一定程度は理解していますが、今までの古臭い慣習に縛られていると、ITの発達で世の中が加速度的に変化している現在において弁護士は「生きた化石」となる可能性もあると思います。
従来の殿様商売から脱却してきているいま、弁護士業界全体として未来に向かい歩き出す時期にきているのかもしれません。
著作:株式会社アンサーブ